廃材天国HP

2009年12月21日

京大の小出先生の講演会

19日(土)サンポート高松で、京都大学原子炉実験所の小出裕章先生の講演会。
県議の渡辺さとこさんや高校教諭でチェルノブイリカレンダーを販売する柏先生も来られてた。

実際に、小さいながらも原子炉を動かしての実験をしながら、原発の危険を訴えてる小出先生の話には説得力がある。
映画「六ヶ所村ラプソティー」にも登場されてる。

かつてのチェルノブイリ事故の詳しい事実も一般にはほとんど知られてない。
例えば半径300キロは風向きと雨によって汚染地帯にかなりのムラを持って広がってる。
僕の丸亀は愛媛の伊方原発から160キロ。
中程度の汚染地帯は700キロまで広がってる。
てことは、日本中に55基ある原発から逃れられる所はナッシング。
でも、これはもし事故を起こせばという過程での危険やけど、事故なんか起こさなくても毎日空気中や海水に放射能を出してる訳。

100万キロワットという一般的な原発が一年間に生み出すセシウムの量は、広島原爆の800倍にも上るんだと。
その上に「死の灰」という核廃棄物も生んでしまう。
大体、その核廃棄物に関しての今現在の結論は出てないってのが凄いよね。
国のアイデアは使用済みの核燃料は六ヶ所村の再処理工場で処理して、ガラス固化体というのにして、地下300m以上の安定した地層に埋めるというもの。
でも日本は火山帯だし、地下水の汚染の心配もあって、未だにその候補地は未定のまま。

この六ヶ所村の再処理について小出先生の考えは「プルトニウムを取り出す為だけ目的にしてる。」と言い切る。
確かに再処理という言葉自体が多少イイ意味も感じるけどね。
しかも、この再処理工場から出る放射能は一日でさっきの一般的な原発の一年分という、途方も無い量、、、。
何しろ、燃料棒というものは、ウランの燃えた死の灰(プルトニウムをはじめあらゆる放射性物質)の入った使用済み核燃料はプールに入れて冷却し続けないといけないもの。
それが今、日本中にたくさん溜まってきてる。
で、その燃料棒をバラバラにして硝酸で溶かしてプルトニウムを取り出そうとしてる。
放射性物質にもいろいろあって、気化しやすいものや水に溶けやすいもの。
それらが燃料棒からバラバラにされたら外に出てしまう。
六ヶ所の工場では150mの煙突と海には沖合い3キロ、水深44mの排水口から棄てるんだと。

でも、放射能に関しては薄めればいいというものではない。
六ヶ所から流したハガキが青森から三陸を経て関東まで届くという実験もあったそうやし、一端薄まっても、自然には絶対に分解されない物質だけに、プランクトンから小魚、マグロと大型になればなるほど濃縮の率は凄い。

とにかく、これ以上放射能を増やす事は何をやってもダメ。
そんな事言うたって電気が要るやん、という電力会社の宣伝を鵜呑みにするなよ。
真夏のピーク時以外の電力は今でも原発なしでも足りてる訳やし、そのピーク時の電力をなんとかしようという努力もせずに原発に頼るのはおかしいよね。

だって、絶対に過疎地にしか作らないのが危ない証拠。
原発が生むエネルギーは3分の一が電気になってるけど、後は海に棄てられる。
なお且つ遠くから送電線で送る際にも電気は抵抗で減ってしまう。
て事は、東京湾に建てるのが最も合理的なはず。
でも危ないから建てる訳がない。
結局、お金のない地方自治体に、国と電力から金をやるから引き受けろという強引に押し付けられてるだけ。
で、実際に金をもらってしまえば口を塞ぐしかない。

小出先生の「再処理とはプルトニウムを取り出す為だけのもの。」という言葉が印象深い。
プルトニウムとは史上最悪の核物質。
そのプルトニウムは原爆の原料。
もちろん、選挙に行かない無関心な層が増えれば、憲法9条改正とか、核武装という事も具体的になってくる。

最後に出たグラフは、小さい子ども程放射能の影響を受けやすい事を示す棒グラフ。
同じ量の放射能が身体に入っても、50代以上とかになるとガンなどになるリスクはほとんどない。
かつて、チェルノブイリの事故の時、ある量以上放射能の入った食品をボイコットした日本。
これから六ヶ所村の再処理工場が動き始めて、青森県産や三陸産のものを買わない事が常識になってしまったら、、、。
東北の農業と漁業が壊滅してしまう。
小出先生の「我々大人が積極的に青森産の野菜や魚を食べる責任があります。」「もちろん子どもたちには絶対に食べさせないようにして。」という締めくくりに感動した。

国、電力会社、お金、、、要するに他人頼みの生活をするな!
自分で生きる事。
というか、自分の感覚を活かして判断する事。
もちろん、この国で生活できてよかったし、四国電力の電気も光ネットもありがたい。
何も自分一人で電気を遮断して隠居する事が理想なんじゃない。

使う電気は出来るだけ減らして、「そんなに無駄使いせんから、原発は要らないで。」という意思表示をする。
原発反対というか、原発卒業。
脱原発。

もちろん上関原発みたいに今から建てようとするものには反対せんといかんけどね。
  

Posted by 陣 at 07:38Comments(1)イベント