廃材天国HP

2012年12月01日

プチ解体

観音寺の大きな解体現場が終わり、今度は高松の小さな解体。
弟子居候たちも旅立ち、一人で向かう。


車一台だけ停められる車庫。
このスペースに小さな美容室を作るそう。


下の波トタンが腐り、上にサンを打って二重に張ってた。


まずはトタンを全部外す。


構造は大きな釘で留ってるだけなので、解体バール一本でサクサク解体できる。


ここまではあっという間。


現場は高松の海沿いだったので、岸壁のテトラに腰掛けて玄米オムスビの昼ごはん。
海を見ながら優雅にご飯を食べてると、水深50㎝ぐらいのところにヒザラガイが見えた。
引き潮だったので、もう2時間もすれば海に入らなくても採れる位置。
現場のお昼ご飯で、持参したオムスビと採れたての貝の刺身が実現すると凄い!!
残念ながら一日で終わる小さな現場だったので、実現しなかったけど、、、。


構造がなくなり、下のコンクリートの撤去。
それまでの楽勝モードと打って変わって、ここからが大変だった。

カレー現象が起こった。
カレーとルーのバランスは比例して減っていかない。
パクパク食べてるとうっかりルーが少なくなって、慌ててご飯を優先して食べる。
今度はルーが余るというアレ。

午前中は昼過ぎに終わるかなとか思ってたので、施主のアケミさんとお喋りしながら作業してた。
角材についた5寸釘などもバールで外しながら丁寧に進めてた。
それが基礎の撤去に入って、「時間配分をミスったー!」と後悔。


写真では分かりにくいけど、塊は以外と大きくて深く、電動のハツリで壊しながら。
アケミさんのお父さんが超デッカイ金テコを出してきてくれて、下からコネて動かしてくれた。
それもスムーズにはいかず、かなり難航した。
木材やコンクリートの廃材の積み込みもあるし、夕方には汗びっしょりで必死の作業。
丸亀まで帰ってリースのダンプを返す時間もあるし、、、。

それでも何とか5時前にはやり終えることが出来た。
廃材天国に帰り、一人残ってるしょうたくんに荷下ろしを手伝ってもらって何とかなってホッとした。

何でも甘く見るといけないという教訓やねー。


  
タグ :解体

Posted by 陣 at 08:45Comments(0)解体

2012年11月29日

廃材地獄

廃材天国内の片づけ進行中。
廃材地獄にならないように、、、。


野遊の自作基地を解体して廃材置き場を作る。
始めは惜しくて渋ったけど、「解体やで!」というと勇んでバールとインパクトを出して作業に取り掛かる。


基地のあった所に5m級の長物を置いて、左のはそれより短いタイプ。
こうして分類分けしておくと使う時に便利。


野地板と垂木はそれだけで取りやすいようにする。


悪くなってる材はチェーンソーで切って焚きものにした。
この薪ボックスは屋根もついてるし、タイヤショベルで必要な時に移動できる。
こういうストックボックスをいくつも作ってる。

さすがに2軒分の材なので、たくさんある。
これから作るゲストルームや子ども部屋などな小さな建築物。
こういう時にふんだんに材があると、全く新しいアイデアが閃くもの。
逆に廃材建築にとって、廃材が少ない中でアレコレ悩むのは嫌なもの。


昨日はいつも使ってる塩を作ってる天草の松本さんが来廃。


完全に手作りの本格的な塩。
ウチでは一年分使う味噌も梅干しも全てこの塩で漬ける。


夜は実家のピザ窯で魚や鶏を焼いての宴会。
このスズキと大アナゴ、骨付きどりという酒のアテには最高の宴会。


築90年の実家の座敷は伝統工法の美しい建築。
檜の分厚いテーブルは親父の趣味。


  
タグ :解体

Posted by 陣 at 08:42Comments(0)解体

2012年11月25日

解体工事完了

ハツリ作業も要領を得てうまく進んだ。
昔の布基礎で、鉄筋も入ってなかったのがよかった。
コーナー部分をハツるとタイヤショベルの爪でボコッと掘り起こせる。


こんな感じでジャンジャン運び出せた。


ドン!
実質金曜日には上モノは無くなって、土曜日には細々した片づけぐらいで午前中で完了。
全工程で17日間でやり終えることが出来た。
最後にはタイヤショベルを投入したけど、ユンボはなしのほとんどの工程を手作業での解体工事。
解体は何度かやってるけど、今回は割と街中で敷地一杯に建物があったのが大変というのもあった。

11月一杯ぐらいを見てたけど、人海戦術でこのぐらいの日数で出来たのは予想を上回った。
僕、しょうたくん、たくちゃん、いつきくんが毎日入り、ハラさん、ナオコさん、ユタカさん、が不定期に入ってくれた。
施主のスミエさん夫妻もほぼ毎日来て、掃除や片づけ、木端の積み込みなど一緒にやってくれた。
こういう現場では近所との関係性も大事やなと思った。
養生のシート張ったり、水かけながらやったり。
毎日の挨拶や、「随分進んだなー。」とか、「焼きオムスビ美味しそうやなー。」とか近所の人とも話しながら。


頂きモノの鯛を自家製塩麹蒸しにしてみた。
少しの間塩麹を塗ってから蒸すと全然違う。
醤油と自家製柚子コショウでバッチリの味。


アラはゴボウとアラ炊きにした。


寒くなってきて、粕汁が美味しい。
これはフサさんの持って来てくれた山口の純米酒の酒粕で非常に質がいい。


山芋の漬物。
醤油を水で薄めて、梅酢、味醂で一週間ぐらい漬けたもの。
ワサビを付けながらが最高。


間引き人参のソテー。
鋳物のフライパンでじっくりと火を通す。


小サバの竜田揚げ。
サバは竜田揚げが美味い。


食後は楽器のセッション、トランプ、そしてこのケン玉と盛り上がる。
最近野遊がメキメキと腕を上げてて、日本ケン玉協会の認定表での準初段まで行った。
宇宙一週、一回転灯台、うぐいす、という難易度の高い技も身につけてる。

いつきくんも子ども時代にやってて、来た当初は宇宙一週とか野遊に出来ない技を披露してくれた。
それがほんの2週間ぐらいで野遊の方が圧倒的に上手くなってしまった。
子どもの吸収力は凄いねー。

  
タグ :ケン玉

Posted by 陣 at 07:56Comments(0)解体

2012年11月23日

ハツリメディテーション

いよいよ、コンクリート基礎や土間のハツリ作業に入った。


ジャーン!
大型のコンプレッサー登場。


エアのハツリのパワーは絶大。
4人とも初めてなので、最初は戸惑ったけどすぐに慣れる。


土間のハツリは以外と楽に進む。
それでも何しろすんごい振動。
1時間ぐらいで交代しながらの作業。


横方向のハツリの振動の体感は倍以上。
ハツリの振動を全て自分の身体で受け止めないといけない。
まさに機関銃のようで、超楽しい。


各自、自分なりに工夫してすぐに容量を得てガンガン破壊する。
この作業は超楽しい。


家の基礎部分は立ち上がりだけの簡素なもの。
コーナー部分をハツリで破壊すれば、タイヤショベルの爪ですくい上げられるぐらい。
あまりにも塊が大きいので、ダンプの上で小さくする。


一日でかなり進んだ。

ハツリ作業は瞑想のようなもの。
延々と続く振動や騒音が自分の世界に入りやすくさせてくれて内観を促す。
草刈り機やチェーンソーも似てる。
雨や雪、強風というハードな環境の方がより、シャンティーになれる。
騒音はないけど、田植えや草取りもそう。

同じ事を延々と繰り返すということが瞑想状態に入りやすくさせる。
でも本人は同じことを繰り返してるという意識はない。

今の瞬間、その部分だけに思いっきり集中する。
それがいい。
まるで時間が止まってるかのよう。
ふと気が付くと、今までの軌跡に自分でもビックリする。

しょうたくんは二人でやってる音の調和に感動したとか。
バララララララッという自分だけの音に加え、相手の音がかぶって以外なリズムを生む。
ハツリは即興打楽器だ。


ツルムラサキの練りゴマ和え。


畑のバジルを女性たちが大量のジェノベーゼに加工した。
これはキャベツとイカのバジル炒め。


セリの白和えとレタスのサラダ。


揚げ出し里芋のオロシ煮。
里芋はほっとくだけでよく出来て保存もきく使いやすいもの。

  
タグ :解体

Posted by 陣 at 06:55Comments(0)解体

2012年11月22日

女性たちの手仕事が素晴らしい

女性が多いと朝の準備が楽。
朝食作りにお昼ご飯の用意。
その間に男性陣はコンポストトイレの処理やら、前日の廃材の片づけやらできる。


桁をチェーンソーでカットして、ロープで引っ張り倒す。


壁土を持って帰るのも進んでて、途中で何度も帰る。
帰ると、フサさんとトシちゃんが玄米珈琲のパック詰めをしてくれてた。


土歩とノリちゃんがしてるのは蜜蝋の下処理。
ゴミを取り除き、火にかける。
そこへ2年間ビワの葉を漬けこんだオリーブオイルを入れる。
この蜜蝋はあっこちゃんの実家のお父さんの育てた日本ミツバチの巣から取ったもの。
何年分も集めてるのを頂いてた。


常温に冷えると固まって、クリーム状になる。
ここまでした後の容器や濾し器の片づけが大変だったとか。
蜜蝋はろうそくの原料でもあるぐらいで、冷えると強烈に固まる。
ボウルやザルにこびりついたのを落とすのに2時間とか費やして、みんな肩が痛くなるほどだったとか。


一つサンプルを詰めてくれた。
蜜蝋を取る所、ビワの葉を2年間も油に漬けこむ、そして、この溶かせ合わせる作業、ととんでもなく気の長い工程。


現場での作業もサクサク進む。


上物が無くなって、床、根太、大引きと順番に外す。


基礎だけになったんで、次のハツリ作業をやりやすくするために周りの土を除けておく。


晩ご飯も超賑やか。


これはノリちゃん作。
冬瓜、白菜にレンコンの団子の入った、重ね煮八宝菜。
アミエビも干し貝柱もなく、重ね煮だけでめっちゃ美味しい。


種付け花とノゲシのサラダ。
白いのは豆腐マヨネーズ。
野草料理は春だけじゃなく、この初冬編も楽しいと野草の先生の姫さんは言う。


くぼさんの豆腐で湯豆腐。
写真では分かりづらいけど、ごま、きぬ、もめんの3種。
スダチのポン酢で頂いた。


いよいよ最終のナス料理。
昼間に女性チームで畑の整理をして、ナスの木を片づけたそう。
最後にぶら下がってた小さくて固いナスとレンコンの中華風炒め物。


ゴーヤも一緒に片づけて、これまた小さなのがたくさん成ってたと。
大人が多いうちに食べとかなね。


トシちゃんが安納芋を持って来てくれた。
ステンレスカマドの下のオーブンで焼いた。


超上手く焼けた。
この芋はこれだけでスイーツ。





  

Posted by 陣 at 06:29Comments(0)解体

2012年11月21日

更なる来廃者

昨日は早朝に夜行バスで山口からしょうたくんの友達のトシちゃんとフサさんが来廃。
トシちゃんは3年ぶりの来廃。

僕ら家族は5月に天ぷらカーで屋久島への旅の帰りに、山口のしょうたくんの所へ寄った。
そこで夜に宴会を開いてくれて、二人と会ってる。

二人とも女性なので現場には向かわずにあっこちゃんやノリちゃんと廃材天国で畑作業や料理に勤しんでくれた。


解体現場では二階建ての新しい家の一階部分を残すのみとなった。


解体される家の敷地内ではいよいよ食事できるスペースがなくなって来た。
隣接する公園の芝生の上でお昼ご飯。
養生のシートを外したので、それを風除けにして焼きオムスビとお汁を温める。


女性陣がいい仕事をしてくれるお陰で現場の食事も充実する。


天気もよく、快適なお昼ご飯タイム。


いよいよ少しの構造部分を残すのみとなった。


いつも現場を5時過ぎに出るも、帰ると真っ暗。
下ろせる廃材は夜のうちに下ろしておく。
テント芝居「どくんご」を彷彿とさせる投光機による照明。
投光機を使ってのライトアップって妙に決まる。


人参葉のゴマ和え。
ノビル、人参、揚げの酢味噌和え。


自家製キムチ、ノビルの根の天ぷら。
白菜の塩漬けと自家製ヤンニョム(キムチの素)を合わせてすぐなので、味に深みがない。
これからどんどん発酵して美味しくなってゆく。
ノビルは球根も上のネギ部分も美味しいけど、根もこうすれば美味しく食べられる。
ネギの根でも同じ。


しし唐、ピーマン、それらの葉の炒め物。
ゴマ油と塩麹の利いたもの。


大根、ヒジキに柿のサラダと、前日のカブの甘酒マスタードマリネ。


大根ステーキ、きのこ餡かけ。
種付け花がトッピングされてる。


実家から鯛子の差し入れ。
南蛮漬けが最高。

人が来すぎて、2、3人増えてもあんまし変化を感じない。
またこの怒涛の解体現場が終われば家族だけになる。
そのメリハリが大切。

常に居候がわんさと居るウーフのホストなんかどうしてるんやろー?
まず、ウチは居候の部屋が少なすぎるという問題がある。
やはり、ゲストハウスというか居候の部屋が要るね。
随分引っ張ってるけど、そろそろ必要に迫られてきた。

どこに作ろかな?
これも前々から考えてはいるけど、決定はしてない。
来年の着工か?
  
タグ :来廃者

Posted by 陣 at 06:19Comments(1)解体

2012年11月20日

ワクワク解体再開

月曜日からワクワク解体再開。
土日と2日間来てなかったけど、やっぱり解体現場はいい。

古い方の家の棟木をチェーンソーで切断したり、梁や桁を外していく。


木を刻んで継手加工で組み合わせてるだけなんで、解体はバール一丁でサクサク進む。
人海戦術のパワーでドンドン進む。


奥でみんながコツコツやってる手前で、タイヤショベルで突っついて壊す。
やはり機械のパワーは凄い。
それでも、壊した後の仕分けは結局丁寧に手でやるしかない。
あくまでも機械は補助。


向かって右側の養生のシートや番線で固定してた足場丸太を外した。


左の風呂部分も壊しに入った。

壁がなくなって、構造だけになると、速い速い。
角材や丸太もジャンジャン出てくる。
一日に2回は廃材天国に持って帰る。


里芋と冬瓜の煮物。


剥いた里芋の皮は天ぷらに。
大根オロシ2種にスダチを添えて、山椒塩で頂いた。


右端の紫大根にスダチを絞ると鮮やかにピンクに変化する。


キンピラゴボウ。
ゴボウのアクを晒さずに、ゴマ油で炒めて旨味に変えるのがポイント。
そうする事で塩と醤油だけでパーフェクトな味付けになる。


カブと白菜の甘酒マスタードマリネ。
「まつなが畑」の黄色い人参が果物のよう。

食後はしょうたくんのアサラトワークショップが開かれた。
たくちゃんもいつきくんも興味深々でやってた。
口琴やディジュリドゥーも出てプチセッションが楽しい。

  
タグ :解体

Posted by 陣 at 06:23Comments(0)解体

2012年11月17日

自給自足の実現は無条件だ


取っ掛かりに一番手前の面を壊して、タイヤショベルが入れるようにする。
で、大量に中に放り込まれてる壁土を運び出す。


二階の床に溜まった土は一輪車で運び出す。


モヤも全部外して、手前から梁を落としていく。
「これは要らんなー。」という部材はどんどんチェーンソーでカットして落としていく。
構造部分の解体は危険度も高いし、緊張感の走る瞬間。
それだけに、太い梁を落とした後は超気持ちいい。


昨日は天気がよかったんで、外でご飯。
軽トラの荷台が調理台&食卓。
焼きオムスビも進化して国産の圧搾ゴマ油で焼くようになって、益々美味しい。
カセットコンロも二台体制にして、お汁だけじゃなくオカズも温められるようになったし。
この埃まみれの状況下でも、食事には一切手を抜かないのは自分でも感心する。


土は2t車にモリモリ3車運び出し、落とした部材も全て運び出した。
ジャンジャン出てくる廃材を持って帰って、廃材天国の敷地内は廃材だらけ。
やっぱし、廃材はいい。
「おっ、コレ使えるな!」と早速どう使うかにインスピレーションがくすぐられる。


ジャガイモとレンコンの煎り煮。
焦げてるように見えるけど、丁度いいぐらい。
実は薪調理での焦げはガスと比べて苦くないのだ。


野遊の作った大豆ミートと野菜の炒め物。


この季節の風物詩。
大根と柿のナマス。

それにしてもみんな毎日よく働く。
夕食の時にはプレミアムビールや純米酒も美味い。

しょうたくんは3年前にウチで半年間弟子入り居候した後、アチコチで経験値を上げてる。
今は山口の山中に土地を借り、セルフビルドの廃材ハウスは完成間近だと。
僕が一軒目の廃材ハウスの土地を借りてた高瀬の河野さんのように、彼も山口の地主さんに気に入られてる。
家賃、電気代などオールフリー。
しょうたくんも何年も居るつもりはなく、本当に自分自身の場所を見つけるための練習台という発想。
地主さんもしょうたくんが出て行った後に小屋も残るし、バンバン応援してくれてるそう。

いつきくんは何と建築の専門学校を出てて、二級建築士の資格まで取ってる。
もちろん建築士を目指してる訳じゃなく、どこかに土地を見つけてセルフビルドや自給自足の生活をもくろんでる。
ウチに来る前も全国津々浦々を回ってて、場所探しの真っ最中。
四国のIターン移住者も紹介して欲しいと言われて、色々教えた。

たくちゃんに至っては夫婦と子ども連れでの弟子入り。
彼は僕より若いけど、7年間も接骨院の院長としてバリバリ経営してた鍼灸師。
8人のスタッフを雇い経営も軌道に乗ってたにも関わらず、この10月一杯で辞めて弟子入りしに来た。
ほんとは来年の春ぐらいに、、、という事を考えてた所、この解体に合わせて思い切って医院を閉めて来たという本気ぶり。
パートナーのノリちゃんも香川の南部の田舎に足繁しく通い、土地を探してる。

今回のチームの面々はみんな本気度も高いし、方向性も見定めた猛者ぞろい。
ここまで腹が据われば、田舎で自給自足生活を送るなんて夢はたやすく叶う。
しょうたくんといつきくんには一緒に生活を営む素晴らしいパートナーとの出会いも待たれてる。

定職に就かずに自給自足生活を目指すのは簡単だ。
実現するかどうか?
それはいかに自分自身の価値観の転換が進んでるか?のバロメーターでもある。
今現在は実現してなくても、その人間の姿勢を見れば分かるもの。

「やっぱし、いくらか要るもんは要るしー。」とバイトに自分の貴重な時間を費やしてはならない。
「お金に余裕が出来たら、、、。」
「時間があれば、、、。」
というタラレバ話は聞くだけでもグロテスクだぞ。

真に自分のやりたい事に没頭すれば、自分の生活が実現するだけに留まらない。
現代では自分の住む所、食べるもの、エネルギーを作るだけでは時間は余ってしまう。
必ず、「それって売ってないんですか?」とか「ちょっと頼んでもいいですか?」と具体的な仕事に結びつく。

山で木を育てて、それをノコギリを目立てしながら切って家を建てるというレベルなら別やけど。
何しろ廃材でタダの物を集めて暮らしていけるんやからねー。
一から十まで全てを自分でまかなう昔の自給自足とは違うのだ。
好みなら、今でも社会と断絶してそういう生活だって不可能ではない。
でも、そういうのは僕の嗜好性にはない。

ウチの場合、この社会の恩恵(廃材)をもらって暮らしながら、更に現金収入にも結び付けるというガメツさ。
なお且つ、「これでいいのだ!」とか「生活そのものが革命だ!」とか勝手にワメイてる。
参考にしたい者はせよ。
したくない者は無視しとけ。
それぞれが自分の好みの生活を具現化するのだ。

目的地も到達点も設定しない。
駆け引きナシ、無条件での「やりたい!」というモチベーション。
コレに尽きるね。







  
タグ :自給自足

Posted by 陣 at 05:50Comments(0)解体

2012年11月16日

タイヤショベル投入


新しい方の二階は桁がなくなり、土壁を叩いて落としていく段階。
道路側や隣の家側は「ヌキ」の部分だけ土を落とし、チェーンソーで切断して竹小舞ごとペロンとめくり落とす。


古い方の家はほぼ構造だけになった。
こっちの家の土壁は異常に分厚くて、しっかりしてる。
当然筋交いはなく、その土壁で強度を得てる。
それに比べ、新しい方の家には筋交いが一部入り、土壁は薄くて簡単に落とせる。
これより更に新しくなると、土壁はなくなり筋交いと金物で強度を出して断熱はグラスウールになる。


午後から同級生の土建屋の社長に頼んでたタイヤショベルの回送をしてもらった。
回送って専門の所に頼むと高いもの。

土壁を落とした土だけでも随分運びださないといけない。
全部スコップと手箕(てみ)でダンプに積み込むのは骨が折れる。
タイヤショベルのバケットは容量が大きく、ユンボよりも移動も速いのでこういう作業に向いてる。


棟木は5間モノ(9m)の立派なもの。
梁も3間(5m40㎝)のしっかりした松の丸太。
こういう材はキレイに取って持って帰る。
もっとも、こういう丸太は解体屋仕様のユンボのツカミで壊しても折れないので、頼めば持って来てくれるけどね。


二階部分はほぼなくなり、一階からの通し柱を残すのみとなった。


ゴーヤが未だにある。
種ごと炒めると、種がナッツのようで美味しい。
今年から白いワタも種も取らないようになって、手間もなければかえって美味しいという目からウロコ。


今シーズン初おでん。
イリコの利いた出汁。
生芋コンニャク、大根、玉ねぎ。


くぼさんの豆腐の焼き豆腐。
これは別に煮含める。

自家製味噌に自家製甘酒、柚子コショウをたっぷり付けて頂くと最高。
何も高級な素材ななくっても、こういうシンプルなものでも十分。
コンニャクや豆腐に調味料は絶対に本格派じゃないといけない。
美味しい材料に美味しい調味料なら絶対に美味しくなるしかない。




  
タグ :おでん

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2012年11月15日

現場での食事革命

ここの所風が強い上に、解体が進んでサッシやドアが取り払われてきた。
現場での食事は外で食べてるのと変わらない。
冷たいオムスビが食べにくくなってきたのでカセットコンロで焼くことにした。


ロッジ(鋳物)のフライパンで焼きオムスビにした。
中火でジワジワ焼くと、こんがりと焼けてイイ感じ。
シャトルシェフのお汁も再度アツアツに温められる上にオムスビもこんがりのアツアツという現場の昼飯とは思えない充実感。
若者がパクパクと噛まずにハイペースで食べてしまうのを改善するのにも役に立つ。
でも、「次のオムスビが焼けるまでよく噛んでゆっくりと食べるように!」と言われても、あっという間に食べて「まだ焼けないっすかー?」と忙しい。
中々すぐにはねー。
何でも慣れるのには時間がかかるもの。


古い方の家の座敷で食べてたのも場所を追われ、二階建ての方のダイニングに畳を敷いた。
最近の寒さに、アツアツの食事がほんとにありがたい。


土壁も随分減って来た。


新しい方も同時進行。
桁も外し、かなり解体が進んできた。


こんな感じ。

解体作業の一番の醍醐味はスピード感。
サクサク進んでいくのが何より。
乱暴に破壊していく爽快感も楽しい。
僕には建築よりは解体の方が圧倒的に向いてるね。


晩ご飯はオカラのコロッケ。
頂きもののワサビ菜と豆のサラダも美味しい。

  
タグ :解体

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2012年11月14日

居酒屋ごっこ

嵐のような突風と雷と土砂降りの中の解体現場の充実感は最高だった。


立派な梁の走る築60年の民家。
実はこの家は戦後の物のない時代に、もらってきた廃材利用で大工さんに建ててもらったとか!
屋根の土を片側半分だけ落とし終えてた。
もう半分は反対側にダンプがつけられないので、室内に落とすことにした。
まず、天井を落とす。


4人で一気に落とし終える。


室内の壁も落としにかかる。


手前側の壁は全部落とし終えた。
みんな頭のてっぺんから足の先まで土埃で真っ白け。
マスクなんかつけてたって、鼻の穴にも口の中にも土は入って来る。
おまけに途中から凄い雷と土砂降りの雨で、緊張感激増。


仕事を終え、廃材を満載して廃材の家に帰ると、「うまうま亭」オープン!
これは野遊の居酒屋ごっこの事で、気まぐれに開かれる。
メニューはその時にふんだんにある材料中心で決められる。


まずはみんなビールを注文して、スルメなどのお通しで乾杯。


キャベツと豆のサラダと紫菜の花のゴマ和え。


定番の玉ねぎ焼き。


さつまいもと厚揚げの炒め物。
カラーピーマンが色どりに添えられて美しい。


さつまいもとカボチャの煮物。

そこへ親父が綾菊の純米吟醸を持って来てくれた。
実家が近くてラッキー。
親父も純米酒好きで更にラッキー。
一同焼きものの話に興味深々で、日曜日には親父の窯や工房を見学しにいくことになった。

それこそ、実家の母屋は天井を取り払って、吹き抜けにしてる。
今の解体現場の古い方の家よりも更に古くて大きい。
巨大な梁で柄立て工法の、いわゆる八尾の伝統建築。
丁度知り始めで好奇心旺盛なたくちゃんにはピッタリ。
解体中にも食事中にも、「これが片屋根、切り妻、寄棟、そして入り母屋と展開して、、、。」と現物やイラストを見ながら家の話で持ち切り。

そもそも、僕はそういう知識ゼロで廃材建築に入った。
ぶっつけ本番もいいとこ。
突然8m級の木の電柱30本をもらいにいく所から始まった。
既に薪の陶芸は始めてたんで、解体屋に持って来てもらった廃材を全てチェーンソーで切って燃やすには惜しいと、いい材を集め始めてはいた。
まさか、自分で家を建てるとまでは考えずに、、、。

始める前に「アレも知りたい。」「ソレも体験しときたい。」というのは分からないでもない。
やった事のない事を始める時は誰だって不安。
その不安は「やりたい!」「面白そう!」という好奇心で反対にワクワクに昇華させられる。
それで、自分でやり始める事が最大の勉強となる。

何が面白いかって?
変化だ。
毎日毎日同じことの繰り返しでつまらないなんて、泳げたいやきくん時代からとっくに分かってる。

不安で出来るかどうか分からない。
お金の保障なんてどこにもない。
そういう安定のなさこそが、「やったるでーーー!」というモチベーションのスタート。

宇宙も生命も不安定の極みのようなもん。
たまたま発生した宇宙に、類い稀な確立で誕生した生命。
そこから人類のワクワクが始まってる。

安定などクソ喰らえ!
不安に立ち向かう好奇心はDNAに刻まれているのだ。
だから、不安から逃れるという意味で安定を求めるのも確か。
でも、出発は確証のない中で決断されるべきもの。

これから始める若者にプレゼント。
不安が大きい程、楽しみも大きいぞ!!!






  
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2012年11月13日

新旧の家の対比が面白い。

日曜日に雨が降って、丁度よかった。
昨日からまた解体現場通いが始まった。


古い方の家の瓦を落とし終えた。
こっちの屋根の勾配はきつく、滑らないように細心の注意を払う。


お次は泥を落とす作業。
昨日は土歩が、「行きたいー!」とついてきた。


泥の下は杉の皮。
その下は竹。
野地板はない。
60年前には製材が大変やったろうし、板を作るより、こういう素材の組み合わせの方が効率的やったと思われる。


この竹がまたカッコイイ。


竹を外した後の垂木が太い。


新しい方の家は合掌の解体のバラシにかかる。


一応、合掌の部材はバールで継手を引き抜いて、再現できるようにしてみた。


梁も外し、だいぶ形が変わって来た。

新旧の家の対比が面白い。
古い家は100%自然素材。
全部もう一回使えるものばかり。
新しい方はベニヤ板なんかのゴミだらけ。
それでもまだ一応は土壁なのでまだマシ。
もっと新しくなると、土壁はなくてグラスウールの断熱材になる。
大手ハウスメーカーになると、柱がなくって合板だらけだったり、ゴミにしかならない、、、。

こういう手バラシだと、古い家の利用価値は超高い。
逆に新しければ新しい程、ロクでもない素材で出来てる。
しかも、現在どっちを選んでも坪単価ってそうは違わない。
ハウスメーカーのは安くて、在来工法は高いというプロパガンダに乗せられるな!


豆乳のホワイトソース風。


ノリちゃんは「わら」ファンで、重ね煮でのひじき。


秋も深まって、カラーピーマンがよく実る。
  
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2012年11月11日

絶対にやりたくない伝統工法の継手


養生のシート。


反対側。
それなりに解体現場っぽい。


野地板を外して垂木と合掌が露わになった。


同時進行で古い方の家の瓦を外しにかかる。


重厚で品のある棟。


どんどん投げて落とすので超速い。
本瓦なので丁寧に取ると価値は高い。
エクステリアなんかにもよく使われる。
でも、廃材天国ではバラバラにした廃瓦で屋根を葺くという眼からウロコ工法を実践してるんで、丁寧に取る必要はない。
大体、エクステリアという概念がないし。


棟木、モヤと順に外す。


棟木の追っかけ継手。
棟は大事なので複雑な仕口になってる。


モヤのアリ継手。
こんな継手も自分では絶対にやりたくない仕事。
廃材建築のコンセプトは自由でテキトー。
閃きという名の思いつきの連続。
そもそも、家作りをナメてる。
「家なんて廃材積んだだけでいいじゃん。」といういい加減さこそが信条。
美しい伝統工法を時間をかけて勉強したくないという出発点。

もちろんこういう現場に関わる程、日本の風土の中で培われてきた理にかなった伝統工法の凄さは理解できる。
でも「凄いなー。」という事と、「やりたいなー。」というモチベーションは必ずしも一致しない。
そういうもん。
イチイチ他人のやってることに感動しすぎて、「自分には能力がないし、経験がないし、出来んわー。」という負のスパイラルに入ってはいけない。
人間は自分のしたい事しか出来ないようにプログラムされてるのだ。

家とは住み方や暮らし方によって、全く異ならないとオカシイのだ。
毎日どうやって生活すんの?
朝起きて夜寝るまでの暇つぶしが生活。
折角暇つぶしするならワクワクしないとねー。
暇つぶしに仕事してるのに、その仕事がタイクツなら本末転倒もハナハダしいじゃん。

ライフスタイルによってはいかなる高価な家でも「こんな家タダでも要らんわ。」となって然るべき。
そのライフスタイル自体を自分で築くのだ。
それはマトリックスに繋がれた生き方からの解放を意味する。
決して簡単ではない。
でも苦労や困難はレジャーみたいなもん。

21世紀に入って、3、11とか起きたというのに、目が覚めないのか?
言われた通りしてりゃお日さん西々で死にはしない。
そんなのは生きてるうちに入らん!
この時代は最大のチャンスなんだ。
生きてるうちにこのチャンスを逃すな!


合掌だけになった。
ここまで丁寧に解体すると、このまんまこの家を再現するのは超簡単。
自分でノミで刻むのは嫌やけど、プラモみたいに組み立てるだけならやってもいいかも。
でも、何かヒネらなおもろないなー。
というクセが出るけど、、、。


棟の部分からこういう小さな部品が出て来た。
めっちゃ大量にあるんで、一個50円とかで売ったら儲かるな。

解体現場での昼ごはん中、夜に酒を飲みながら、とにかくセルフビルドを始めとして、オルタナティブライフの話で超盛り上がる。
自給自足、セルビルド、自由な教育、自然食、、、そんなものは目的じゃない。
それぞれが単なるツールでしかない。
目的は自分を納得させる生活を営むことだ!!!

  
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Posted by 陣 at 09:37Comments(0)解体

2012年11月09日

生きた学校

どんどん人が増える人海戦術の解体現場。
きのうはユタカさんも加わって、7人体制。


周りが広くなってきたので、養生に入る。


風を通す寒冷紗を張った。


風呂とトイレは足場として置いといて、二階の壁面を先に剥がしておく。


外したドアをテーブルにして、毎日ここでお昼タイム。
玄米オムスビは朝、みんなで一気に作る。
シャトルシェフ(保温鍋)に味噌汁を入れて行き、更に現場に置いたカセットコンロで熱々にできる。
ロッジ(鋳物)の蓋付きフライパンで、メザシを炙ったりもできる。
あっこちゃんとノリちゃんという賄いスタッフも2人居るので常備菜も充実してる。
醤油豆とネギ味噌がよかった。


二階の瓦は超キレイな状態。


二階なのでかなり高さがある。
コンパネのアオリをつけたダンプを真下につけて、瓦を放り込む。
瓦は温度の低い焼きものなので、低い音で割れてそんなに飛び散ったりしない。
これは中々気持ちのいい作業。


現場からの帰り道にある「おおにし酒みせ」で凱陣を買った。
ここは素晴らしい純米酒の揃う酒屋。
この雄町米の無濾過生はどっしりとした中にもフルーティーな香りとキレのいい芳醇辛口。
サラサラの淡麗辛口よりも、僕の好みはどっしり系。


市場から氷詰めで持って来てくれたイカを冷凍してた。
イカって元の鮮度が良ければ、冷凍しても鮮度が落ちない。
モンゴイカやけど、ネットリしないコリコリの食感。
コレに本醸造の醤油にはビールやサラッとした酒ではダメダメ。
だからこそどっしり系の純米酒という極めて当たり前の選択。


女性陣の仕事が冴える、栗ご飯。
もち米のもっちり感とホロホロで甘い栗が超絶の組み合わせ。


シンプルな鍋にはスダチと醤油のポン酢とゴマダレの2種類の味で頂く。
春菊の間引き菜が薬味的に利いてた。
そこへ自家製柚子コショウでダメ押し。
そういう所まで行き届いて、品格のある料理になる。

まだ3日目やけど、たくちゃんやいつきくんは超テンション上がってきてる。
たくちゃんは古民家を買いたいし、いつきくんはセルフビルドに憧れる。
しょうたくんは既に完成間近の廃材建築を山口でやってるし。
かなり濃い合宿になってきた。

こういう現場を踏むと、家なんて大したことないと思える。
家、料理、医療、教育、、、自分では出来ないと思ってる呪縛から解放されるとホントに楽々。

特にたくちゃんは近々古民家を買って田舎暮らしを始めるという具体的なビジョンがはっきりしてる。
その時に床に白アリが入ってる、屋根が漏ってるというトラブルに対応できるようになる。
まずはマインドからだ。
「自分では出来ない。」という思い込みから解放されるには経験者と共にやってみるしかない。
スキルなんてやってりゃ付いてくる。
まずは職業訓練校で大工仕事を学んで、、、とかよりよっぱど早い。
もちろん個人の好みもあるのでどっちでもいいけど。

何にせよ、解体は単純に楽しい上に超学べる生きた学校。
この現場が終わる頃にはみんなさぞかし成長してることやろね♪





  
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Posted by 陣 at 06:37Comments(0)解体

2012年11月08日

大ハンマーに憧れる子ども達

家を作るのも家を解体するのも自分の出来る範囲でやる。
今回の依頼主のスミエさんは10年前ぐらいからの知り合い。
基本はスミエさん夫妻が自分たちでやってるのを僕らがお手伝いするというのが基本のスタイル。

実際には僕が慣れてるので棟梁的な立場になるけど、スミエさん夫妻も毎日一日中細々した片づけを手伝ってくれるので超助かる。
居候以外の通いのハラさんやナオコさんも含めると、実に6人がかり。
そこに昨日は野遊と土歩も「行きたいー!」と参加。


分かりにくいけど、これは大ハンマーでコンクリートを壊してる所。
「スゲー!」といった眼差しで見つめる。


石頭ハンマー(片手仕様の軽いハンマー)で挑戦。


ここは結構街中なので、隣の家が超接近してる。
スミエさん夫妻が近所中にお菓子を持って挨拶に回ってくれたり、仕事中にも色々気使ってくれるので助かる。
お隣りさんも、「ウチの敷地のもので作業の邪魔になるものは自由に動かしてくれたらええきんな。」と言ってくれる。
でも、こんだけ近いと足場丸太を建てて、養生のシートはしないといけない。


裏の三角に飛び出てる部分に取り掛かる。


2階建ての新しい方の家もプリントを剥がせば中は土壁。
グラスウールの断熱材が入った家じゃなくてよかった。
この三角の部分のあるうちに剥がしておく。


またコンクリートの部分ができたので、早速壊し始める。
子ども達はハンマー作業が楽しくってしかたがない。

夜ごはんの後はみんなでタイコのリズムでセッションしたり、子ども達も大勢の合宿体制で楽しいみたい。
たまに大勢になって、またひと段落したら家族だけとか、メリハリがあると一番いいんちゃうかな。

  
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Posted by 陣 at 06:28Comments(0)解体

2012年11月07日

解体は格闘技だ

観音寺の解体現場の破壊始動。


こんな家。


まずは手前の倉庫部分から壊し始める。
簡単な木造で、ラスの上にモルタルを塗った仕上げ。
そのモルタルを叩いて落とす。


同時に屋根の瓦棒の平トタンも剥がしにかかる。


庭木もチェーンソーでドバドバッとカットしていく。


棟梁の僕、しょうたくん、たくちゃん、途中からはハラさん、丸亀のナオコさんも参加。
施主のスミエさん夫妻も細々とした片づけを手伝ってくれる。


屋根部分がなくなり、グラグラの状態。


白い倉庫部分はほぼ壊し終えた。
庭のマツやマキ、バベもほとんど切ってしまった。


今日からはここにダンプを入れられるので、やりやすくなる。


前日の切干し大根の残りとオカラで???ボール。
スダチと甘酢餡で頂く。


「くぼさんのとうふ」のがんもどきとカボチャの煮物。


ツルムラサキとエリンギの煮浸し。


神山の山芋の梅酢和え。

秋山家5人+しょうたくん、たくちゃんノリちゃん夫婦にこうしくん、いつきくんも合流して10人の合宿体制。
玄米ご飯の炊く量が半端じゃない。
風呂も順番で入らないといけない。
それでも、このぐらいは許容範囲内。
というか増えれば増えたように対応するので、そもそも許容範囲などという枠はない。
特に解体作業は人海戦術。
たくさん居て困ることはない。

しかし、久しぶりの解体!
めっちゃくちゃ楽しい!!!
家は作るより壊す方が絶対に楽しいね。
何が楽しいって、超サクサク進んでいくのが一番。
悩むことが一切ない。
もちろん、あらゆる解体現場に通って、こういう古い家の構造は知り尽してるし。

先日解体はスポーツだと言うたけど、昨日の現場でしょうたくんが「陣さんの場合、スポーツよりも格闘技ですよねー。」と。
確かに、ステンレスの中空解体バールを持って解体する様子はさながらストリートファイターⅡ。
このバールのスキルは12年間の廃材建築の中でも初期の解体現場通いで磨かれた。
解体も建築も単に腕力だけじゃない。
特に解体はテコの使い方一つで超楽にバラしてゆける。

中でもたくちゃんは初めてなので、道具の名前から勉強。
彼は田舎の古民家を買って生活するのが目標なので、修理やリフォームなどに活かしたいと。
家を作る、古民家を直しながら住む。
どっちにせよ、まずは解体から!
解体することで家の構造が分かる。
何度も解体現場に足を運ぶことで、上手く簡単に欲しいサッシが外せるようになる。

今回も、アルミサッシや木材などの状態のいい廃材は全て廃材天国に持ち帰る。
これも最大のメリット。
さあ、今日からはメンバーも増えたし益々壊すでーーー!!!



  
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Posted by 陣 at 05:58Comments(0)解体

2012年11月06日

居候たち合流

昨日、弟子居候たちの集合日。

しょうたくんから朝、電話「広島あたりで車が横転したんですーーー!!!」と。
ハンドル操作が不安定になって、急ハンドルを切って、軽バンなので車体が浮いて横転したと。

しばらくして、「おそらく車の復旧は望めないので廃車手続きを済ませました。」と電話。
「怪我はないのでレンタカー借りて向かいます。」と。
広島で借りてこっちで返すと2万4千円とか。
で、天ぷらカーで迎えに行くことにした。


天ぷらカーに乗る前のウチのサンバーをしょうたくんが乗ってた。
フロントガラスは大破。


こっちが倒れた面。


完全に平行四辺形に変形して、フロントガラスが入らないどころか、完全にスクラップ。


よく、この状態で怪我がなかったよねー。
横転した後、反対車線に突っ込んだみたいなので、対向車のトラックでもあったら命はなかったかも。
奇跡的というか、、、。

帰ると、たくちゃん、のりちゃんも合流してて、ご飯が出来てた。


チヂミ。


蒸し野菜にはゴマダレとバジルペースト。


切干し大根。


ここに、まだいつきくんという若者が今日合流する。

今日から観音寺の解体現場に通う日々。
やるでーーー!!!

  
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Posted by 陣 at 06:58Comments(0)解体

2012年08月27日

11月は解体現場につき、居候大募集中

観音寺の生田さんから、「古い家を壊したいきん、見にきて。」と頼まれてた。


小さいと聞いてたけど、以外と大きかった。


この伝統工法の部分は、瓦、土、木と基礎の丸い石だけ。
こういう家は解体しやすい。
実際にこの家もヨソからバラして移築してきたそうな。


こういう3、40年前になると基礎はコンクリート。
エアマンとブレーカーをリースするか。


こちらが古い家の内部。
やはり自然素材が多い。
障子やフスマなんか燃やしても害はない。


こちらは新しい家のキッチン。
石膏ボードを外すとグラスウールの断熱材が出てくるやろね。

早速、しょうたくんを山口から呼ぶことにした。
と言っても解体に入るのは11月。
それまで、人員を募ることにしよう。
さすがにこの規模で、オール手作業での解体になると、人海戦術でいかんとね。

普段の生活の場に、見学者や居候が来すぎてもいけないので最近はメールでやりとりして制限してる。
事前に直接電話でやりとりした方がいいかなとも思ってる。
でも、こういう解体現場のような仕事があると居候パワーが欲しい。

なので、「廃材天国に行ってみたいけど、迷惑かなー。」と思ってる若者よ。
11月に限って大募集中なのでメールしてね。
haizaitengoku@gmail.com
手作りのご飯&ビール付きで歓迎します!
働きぶりによっては給料も払うよん。

特に、今回面白いのは戦前の古い伝統工法の家と3、40年前の家が両方あること。
それぞれ構造も素材も全然違うからね。
僕も随分と解体現場から学んだ。
作るのと反対の順番でバラしていくんで、家の構造や作り方が手に取るように分かる。
サッシを傷めずに外すノウハウはどこの解体現場に行っても役に立つし。
まあ、セルフビルドしたいと思うならまず解体からという具合。


買えると、前の晩に子どもたちが作ってたマンゴーアイスが完成してた。
アイスクリームディッシャーでバットから削るのが大変。
でもガリガリやって、皿にポコンと入れるとちゃんとアイスになる。
豆腐や豆乳を使わずに玄米ご飯を使うようになって、よりアイスらしくなってきた。
砂糖もナシで甘酒と沖縄産のマンゴーの甘み。

希望者が多ければ、また「あっこスイーツ教室」でマクロビアイス作りやると言ってるで。


ちょっと早いけどおでん。
前日の薩摩揚げと庭の鶏の卵で作った。
コンニャクは生芋100%、厚揚げは「くぼさんのとうふ」のゴマ油で揚げた厚揚げ。
練り物と卵が添加物ナシの自家製の本物というのが最高。


生田さんの手作りの炊き込みご飯と菜園のトマトをお土産にもらった。


キュウリもオクラも食べる分は十分採れてる。


  
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Posted by 陣 at 08:51Comments(0)解体

2011年08月24日

再び、高速で解体現場へ

連日朝7時出発、高速で新居浜の現場へ。
おとといソーラーパネルの生け捕りに成功したのはほんとによかった。
昨日はアルミサッシを捕りに。

今回、建築屋も設計士も同級生なのに加え、解体屋もいつもの馴染みの会社で捕りやすい。
解体屋が壊す直前の埃防止の養生シートを作ってる間ぐらいしか捕るタイミングはない。
その解体屋の仕事の邪魔にならないようにするのが最重要課題。
むしろ、相手が「助かるー。」と思ってくれるような計らいが必須。
特に今回の現場はリーダーが社長の息子さんだったんで、尚さらよかった。


30年ちょいの建物で、その後、この白いサイディングを張ってる。
小林亜星さんが宣伝してた「パットサイデリア」というもの。
このサイディングは一軒目の廃材ハウスの居住部分の壁面に張った。
その時も、毎日解体現場に通ってコツコツ剥がしてきた。
「懐かしいなー。」とか喜ぶよりも、いわば2重に壁があるんで、サッシを外すのには一苦労。


まず、バールでサイディングをバキバキに壊して外す。
サイディングの下の白い壁面がオリジナルの壁。
コンパネに吹き付けのようなもの。
こういう壊したサイディングなども「どこへ置いときましょうか?」と聞いて、一ヶ所に整然と積み込んでおく。
解体工事で一番の労力を要するのが「分別」。
こっちが必要なものを取らせてもらうんやから、後始末をキチンとしないといけない。
こういう事をテキパキとやってると、解体屋の職人さんも気を遣ってくれる。
お互いに気持ちのいい現場にしないとね。


内側の壁面とサッシがボンドでつけられてたので、壁ごと叩き壊してサッシを傷めないように外す。
チェーンソーかグラインダーがあればスマートに出来たやろねー。
グラインダーは発電機が要るので、こういう遠方の現場では持って帰る戦利品を優先するので無理。
チェーンソーを持っていかなかったのは、廃材建築家としてはミス。

サッシと壁面の固定は様々。
毎回違うと言うてもいいぐらい。
一番取りやすいのは、昔の伝統工法の家の木のサッシをアルミサッシに替えた家。
今回のは大変な方とはいえ、ついてるものはどうにかして外すことは出来る。
とにかく壊す家なんやから、何をやってもいい。
大ハンマーでぶっ叩こうが、バールでこじ破ろうが、思いっきり乱暴にできる。
それが楽しい。
サッシを取るという目的は、その手段であるスポーツのような「解体作業そのもの」と入れ替わる。
この「手段が目的化する」というケースは廃材建築の大きなポイント。
家が出来るのは目的じゃない。
いかに廃材を使うか?と、毎日一人で廃材建築選手権をやってるようなもの。


窓タイプが3セットに掃き出しの大きなサッシが3セット。
網戸や雨戸も入れるとかなりの量。
積み込み方を考えながら、軽トラに満載してると、、、。
見かねたのか、息子さんの方から「秋山さん、大きいのだけでもダンプに積んで帰りましょうか?」と申し出てくれた。
これはありがたかったねー。
畳を積んだ間に丁度サッシが入って、好都合。


午後に入って、最後のサッシを外すやいなや、キュラキュラキュラとユンボが家に接近して、バキボキベキベキベキとブッ壊す。
こういう中途半端に古い家は壊してからじゃないと分別ができないから厄介なんだと。
伝統工法の場合、瓦を外して、土を落として、、、と作った順序と反対に壊していけばスマートに壊せる。

去年の徳島の友達、マツケンの家の築100年を超える納屋の解体の時は、僕が棟梁で10人がかりで全く重機ナシで全て解体したもんねー。
しかも4日で!

解体現場には一軒目の廃材ハウスを作り始めた頃はしげしく通ったもの。
とにかく現場に通って、自分自身でバールとハンマーを振り回す。
職人のおっちゃんたちと仲良くなれば色々教えてくれたり、融通してくれたりする。
「産廃処理に金がかかるからタダでもらえる」というような単純な論理だけじゃあない。

ここが廃材建築の原点であり、僕の原点でもある。

  
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2011年04月13日

ウハウハの廃材山盛りゲット

血沸き肉踊る「解体現場」!
そこにあるものはどうやって持って帰っても自由。
この楽しさは表現が難しいけど、海賊がお宝を略奪するようなものに近いんちゃうかな。
限られた時間の中で、なおかつ膨大な物品の中から自分の必要なモノを盗る。
大抵時間が限定された中での作業になるんで、瞬間的な判断が迫られる。
緊張感からくる喉の渇きはまさに「カラカラ」という言葉がピッタリ。

昨日は解体現場ではなくて、閉める工務店の倉庫の片付け。
もちろん高く売れるようなものは大体もっていかれてるけど、材木やコンパネは山ほど、ハンマー、バール、水平機などの細かい道具も盗り放題。
他にもコードリール、投光機、ロープ、各種ドリルのキリ、ボルトクリッパー、クランプ、プライヤー、ビス、釘、ボルト、ナット、カスガイ、蝶番、ゴーグル、長靴、ナタ、コンテナ、スコップ、ツルハシ、チェーン、ワイヤー、シャックル、トタン、、、まだまだありすぎて書ききれんぐらい。
ホウキ、チリトリ、バケツのような日用品もこういう時に確保しとくんで、まずウチでは買うことはない。
廃材で家を建てるだけでなく、こういうやりくりも含めて廃材天国の左ウチワライフが実現してるという事なのよん。

伐採された丸太なんかは造園屋やシルバー人材センターのおっちゃんが持って来てくれた上に積み込みまでしてくれてる。
そういう廃材じゃなく、こういう金出してでも欲しいようなものがタダで盗り放題の現場には声がかかればスッ飛んで行く。
もちろん、仕事として処分を請け負う業者に声かけてもらって入ってるんで、クズ鉄や古道具などの金になるものは微妙に遠慮もしながら、彼らが持って帰って欲しい材木や木はいらないものでも積極的に持って帰る。
お互いにメリットがないと信頼関係は築けない。


2tの平ボデーを貸してくれる好条件でラッキー。
大量のコンパネなんかはフォークリフトも自由に使える環境やったし。


2t車はやはり一気に運べていい。
こんなのは車検かけて所有になくてもこんな感じで借りて事足りる。

僕がトラックに乗ってる間にも、ケンイチくんに加えて、滋賀からマコトさん、岡山のトウヤが友達を連れてきたり、高知のスズメバチ職人の福ちゃんも来て、総勢5人で作業してくれてた。
ウチに来る=作業モードで来てくれるんで、助かるねー。
夜の宴会の時にトウヤの友達のホストの仕事の話で超盛り上がってると、元居候のしょうたくんが17歳のげんきくんと来廃した。
みんな「わら」の船越さんの講演会とウチで作業するのを兼ねてきてくれてる。
今日の講演会は50人規模になる模様。
もちろんパンパンでも聞きたい人は大歓迎!

実は今、相談を受けてる廃材建築の仕事の現場に使おうと考えてる。
僕の廃材建築の仕事は全部廃材利用なんで、材料代はゼロ。
もちろん僕の日当はキチンと頂く。
安いバイト料みたいなのではヨソに行って人の仕事はできない。
そもそも廃材天国での自分のしたい仕事に時間を当てたいわけやし。
えー。
5月の連休明けあたりから着工できるかなー。
久々の廃材建築に腕が鳴るね!
廃材建築の勉強したい人にとっては全く一からのスタートのこういう現場は一番勉強になるのよ。
ボロの家直すのよりも一から作るメリットってほんとに大きい。
全くの更地から二軒建てて住んで思うのは、ずべての工程を自分でやってるから後々のトラブルの対処やメンテナンスも思い通りにできる。
中々貸してくれないのが常識の古民家よりも、100万で広大な土地が買えるような田舎で一から作る方が手っ取り早いと思うね。
何よりも楽しいし。
自分ちが出来てしまって若干欲求不満気味な今日この頃やったけど、この仕事は超ワクワクやがな。
という事で、廃材建築を学びたい人は歓迎するよ。
もちろん廃材建築だけじゃなく、ウチのライフスタイル全般に感心がある方が望ましい。
その辺りはメールやFAXでやりとりさせてもらって僕が判断するからね。
思いっきり本気でやりたい人限定で募集するよ!



  

Posted by 陣 at 07:46Comments(0)解体

2010年09月01日

解体現場

久々の解体現場。
いつも世話になってる(向こうもそう思ってる)解体屋の社長に電話して。
「それなら三野町の現場があるなー。」と言うてくれた。

目的はアルミサッシ。
これは徳島の「かまどGOGO」の青木ユウくんに頼まれてる、小さな小屋を建てて欲しいという依頼の為。

角材なり、丸太と材木に関しては、あちこちから声がかかり、持って来てくれてタダ。
伐採した木に至っては、50cm以内に切ってもってくるという条件にまでなってる。
文字通り廃材天国。

でもアルミサッシなんかは中の窓部分だけなら解体屋の社長に頼めばOKやけど、枠を外すのが一苦労。
なので、職人さんと一緒に現場に向かい、自分で外す。
とにかく解体現場は超楽しい。
何をやってもいい。
フリーの泥棒のようなもん。
まあでも、解体屋の職人さんやそこの施主さんなどにも多少は気を使いながら。
昨日は養生などの段取り。
解体する前のそういう間に取らせてもらう。

午前中の2時間ほどの作業で、5セットの窓とドアが一つ。
もう、要領を得てるんで、どこをどう外せばうまく取れるか分かってる。
最初はこの枠を外すのに苦労するんよね。
後はカマ、手斧、小さいカケヤ、針金、扇風機、アルミのバタ板、トースター、土鍋、ステンレスの鍋、アルミの桶、ステンレス風のラック、、。
と、現場に置き去りにされてる道具の物色が楽しい。
大体施主はいらないものは全部そのままにしてて、解体屋に捨てさせる。
さっきまで生活してたような現場も少なくない。

あれも欲しいこれも欲しいという強欲な姿勢と、解体屋の職人もびっくりという仕事ぶり、この二つが必要不可欠。
で、なりふり構わず、出力100%で作業する。
僕の年以上ぐらいの職人さんになると「何に使うんな?」と聞いてくれたりする。
で、「ほう、それやったらこれも取れるで。」とか色々よくしてくれる。

今回の現場は下見もなしで行った割には、いいサッシがあった。
オマケの戦利品もふんだんにあって中々よかったね。
クワやカマ、斧のような農具は大体田舎の家を解体するとついて来る。
材木だけでなく、こういう買うと高いけど、中古品としては価値のないものは全部捨てられてしまう。
田舎暮らしを目指す若者よ!
解体屋と付き合うとこうしてこれからの生活に必要なモンはかなりの率でそろうよ。


解体される家。
ていうてもまだまだ暮らせるレベル。
要は、住んでた年寄りが施設に入ったか死んだかで、この一階部分を壊して新築するんやろな。


隣の田んぼを仮に埋め立てて、重機が入りやすくする。
11トンダンプ、大型のユンボ、レッカーとが余裕を持って作業できんとダメやからね。
そりゃここまでやると莫大な費用がかかるのも当たり前。


アルミの脚立以外は戦利品。
軽トラにバール、ハンマーのような必需品から、延長コード、サンダー、インパクト、チェーンソーなども一応もっていく。
現場では何があるか分からんからね。

  

Posted by 陣 at 05:39Comments(7)解体

2010年04月03日

廃材天国の原点

搬入された廃材を切る。
今回、陶芸の窯焚き用なので、3寸角、4寸角、丸太も直径20cm前後の細めのを持ってきてもらった。
そういう注文にも細かく対応してくれるのがありがたい。
角材が少なく、丸太が多いのは相当古い家やな。
とにかく戦前の家なら、角材や板は鋸でギコギコ挽いて作らんとない訳やから、柱以外はほとんど丸太。
こういう丸太はまず松材で、しかも肥えてる。

こういう廃材の山をダンプで降ろしてもらって、使える材をストックして、薪用のは70~80cmに切る。
ウチの陶芸の窯の場合、このぐらいの太さの材なら割る必要はない。
というか、割らなくていいような窯焚きの方法をすればいい。
窯の構造や窯詰めの仕方で、薪の種類や大きさ、焚き方なんかは大幅に変わる。
備前焼の場合は松じゃないと、あのテイストは出せない。
親父の窯も僕の窯もワリとラフな構造なのと、「備前焼のこのテイストを出さないといけない。」という目的で焚いてないんで、薪なんか何でもええ。
基本的な窯の構造さえ悪くなければ、薪は何であろうと1200℃まで温度を上げて焚ける。
全くの切りたての生とかじゃなければね。

それに、こういう細い材はチェーンソーで切るのが容易なのもいい。
親父の大きい方の窯で8~10日焚くけど、後半の温度が上がってからは、今回の4t車で持ってきてもらった量は一昼夜分ぐらいに相当する。
てことは、まだまだ持ってきてもらわんといけない。
もちろん序盤は薪の消費量は少ないんで、これ×8まではいらないにしても、かなりの量を焚くからね。
何tとか、何㎥とか計れないんで、本人もどのぐらいの量を焚いてるのか把握できない。

特に今回は使う為の材を取る為じゃなく、窯焚き用ということで、一割ぐらいのいい角材以外は全部切ってしまった。
親父と二人で作業して、午前中でキレイに終える。
道具がいいからねー。
僕はハスクバーナの42スペシャル、親父は共立エコーの38cc。
メーカーとかよりも大事なのはチェーンソーのメンテナンス。
特に刃がビンビンに研がれてないといけない。
刃の切れ味が悪いと、作業がはかどらないだけじゃなく、道具にも負担をかけたり、本人も疲れたり、危険性も増える。
むしろ、プロの技というのはいかに道具の性能を発揮させるべく手入れを怠らないか。
素人の僕でもこんだけやってりゃそのぐらいの事は肌で理解できる。


4tダンプ一車分の解体現場から来た廃材


この丸太の切り口を壁前面に積み込もうとしたのが、廃材天国の母屋のデザインの思いつき


切って積み込むと、かなりコンパクトに


今が旬のわけぎと、ちょっと、筋の入り始めた葉ゴボウ。
青々として固くなったキャベツや、頭を落としてた大根もまだまだ食べられる。
ウチで毎日食べてる野菜は9割はいわゆる売り物にならない規格外のものばかり。
逆に固くなったのをどう料理すると美味しいかと考えると新しいレシピを閃く。
わけぎは普通に美味しいんで、久保さんの油揚げをから煎りしてぬた和えに。
葉ゴボウはゴマ油で炒めてアクを中和させて、梅干と醤油で圧力をかけて柔らかくする。
これまた滋味溢れる深い味わい!
う~ん、最高!!!




  

Posted by 陣 at 07:42Comments(2)解体

2010年03月15日

4日で解体終了

4日目は土を軽トラで運び出す、出す、出す。
常に10人近くで作業してるんで、見る見る納屋は小さくなっていく。

神山のようだい、上勝のタカシ、四季のマサに加え、鳴門のフジ一元アシュラムのしょうちゃんも来た。
しょうちゃんは廃材天国とはもちろん違うけど、全くと言っていいぐらいコンセプトを同じくする同士やった。
それから元居候のケンシくんも合流。
ウチからはリュウくん、ケンゾウさんも一緒。
ほんと、マツケンは「新手」という言葉がピッタリの珍しい存在。
こんだけ、スローライフを実践してる若者をまとめられる僕をリーダーに選んだ所がイケてるし。
まあ、四季のマサからの縁があったのもラッキー。
最近田舎暮らしに入ったみんなからすれば、10年もやってるウチの実践のノウハウなり、経験はものすごく参考になるからね。
反対に僕もみんなのインド旅の話や他のジャンルの話も聞けるし。

今回、両親が業者に払う為に用意してたお金もあったんで、若者にもアルバイト代を払ってあげたし。
僕もみんなをまとめる棟梁として、キチンと給料を頂いた。
何でも業者に頼むと速いけど、高くつくからね。

解体は4日目の夕方になる前に終わって、マツケンのお母さんの要望のテラス作りに突入。
みんなに、出た廃材の中からテラスの材料を選ばせて、バールで釘を抜いてもらう。
母屋の裏の現場では2、3人で穴掘ったり。
マツケンには砂や砂利を取りに行ってもらったり。
何とすぐ近くの川で砂利が取れるんやって!?
やっぱ、田舎は豊かやねー。
僕はめまぐるしくアイデアを捻り出し、みんなに手分けして段取りを進めさせる。
僕は廃材建築の場数が豊富なんで、ある材料ですぐに工法やデザインを閃く。
それを素人のみんなに伝え、要の作業だけは僕が進める。
全く、無駄のない流れをつくる事ができる。

今回の大きさの家の解体を一から全部というのも初めてやったし、こんなに大勢というのも初めてやったけど、素人でも人数さえ居て、僕がシャカリキにやってしまえば、あっと言う間にものすごい仕事が出来る。
小豆島のてんつくマンの所でのワークショップの講師や、去年の天草のピザ窯作りなんかもそう。
大体こうやって、2、3日でワーッとやってしまう型。
もし、こんな人数で一ヶ月とかやったら、相当の大きさの家でも完成してしまうんちゃう?






解体後にテラスの材料選びにすぐさま入る  

Posted by 陣 at 19:00Comments(0)解体

2010年03月15日

解体3日目

またまた、徳島の佐那河内村のマツケンちへ。

先々週に2日間やって、屋根はなくなってるものの、築90年の納屋なんで、しっかりとした土壁に漆喰が塗られてる。
これをみんなで、ドカドカと叩いて落とす。
土壁が落ちるに従って、僕がチェーンソーで梁を切り落としていく。

マツケンの親父さんの新ダイワのチェーンソーがバリバリに調子よくて最高!
ほんと、こういうプロダクト製品って凄いよねー。

でも、もっと凄いのは90年前に、チェーンソーや電動工具なしでこれを建ててる所。
二階の床板なんか、40cm幅で2cmぐらいのカンナでツルツルに仕上げたズッシリと重い松材。
こんなん、何十枚も手鋸でギコギコ切って、手でカンナあててる訳やから、どんでもない労力。
僕も重機なしで太い梁とか持ち上げたけど、チェーンブロックとか使ったし、、、。
昔は今回の解体同様に、大勢で滑車にロープかけたりして持ち上げたんやろね。
そう考えると、今の人件費的に合わないから、という情けない現状とは打って変わった、コツコツと何年もかけて作ったんやろね。
今回も重機はなしなんで、太い丸太の松の梁も大勢で手で運ぶ。
もちろん、チェーンソーで切ってからやけど、それでも超重いからね。

みんな、そういう昔の手仕事に感動しながらのワクワク解体作業。
ほんとに解体って楽しい!
建てるのとはまた別の感覚にスイッチが入る。
ワイルドに思いっきり壊すのって、スポーツのような感覚。
どんどん進むスピード感も興奮を促進させる。

ご飯も大勢でワイワイと食べる。
また、その時は情報交換をはじめ、いろんな話で盛り上がる。
みんな、都会からIターンで田舎に入ってきてる若者ばかりなんで、オルタナティブライフの話でめっちゃ盛り上がる。

お陰でお酒もよく進むんで、楽しくて仕方ない状態。
作業メインやけど、ワークショップであり、気づきの場であり、精神的な向上の道場でもあった。
ほとんど、秋山陣に弟子入りワークショップ状態。
最近僕は遠慮したり、その場の雰囲気を重視して、言うのを加減するということはしない。
年上だろうが、思いっきり愛を持ってコテンパンに怒鳴りつける。
完全に弟子状態のマツケンもそういえば年上やった、、、。









  

Posted by 陣 at 18:53Comments(0)解体

2010年03月04日

解体開始

2/25に訪ねてきたマツケンの佐那河内村(徳島)に行ってきた。
http://kadoya.ashita-sanuki.jp/e233022.html                       

1日の夕方出た。
今の居候のリュウくんと、初めて廃材天国を訪ねてきたナオヤくんも連れて。
マツケンの子どもも居るんで、野遊と土歩くんも。
あっこちゃんとにこちゃんはお留守番。
初めて来て、流れで泊まりの仕事に出かけるってのも凄いよね。

築90年の納屋。
瓦は当然4つで、瓦の下には土、土が乗ってるのは杉の皮。
その皮は細い木に竹で抑えてた。
その下が垂木。
壁面だけは柄立て、中は合掌作りのしっかりした納屋。

解体で厄介なのは中の荷物。
マツケンは陣くんの来る前に片付けますからーと言うてたけど、全然片付いてない、、、。
ウチから僕を入れて3人、神山のようだい、上勝のたかし、木頭村のジュンくん。
何と、数日前に三好町の役場で田舎暮らしをしたいと来た東京のノブくんとゆうこちゃんは役場の職員に高知のオーガニック土曜市を進められて、ともえちゃんに出会い、四季のマサんとこから流れてきた強運の二人。
総勢10人での作業。
なので、じゃんじゃん、軽トラに荷物を積み込み、出す出す出す。
頃合いを見計らって、僕が屋根に上がって、おもむろに瓦を投げ始める。
次々とみんな上がってきて、パパンパンパンと瓦の割れる音が加速して、ヒートアップ。
壊し放題って気持ちいいーーとみんな口々に言いながら楽しそう。

午前中で、瓦は終わり、土も下ろす。
納屋本体だけでなく、深い軒にも瓦と土がどっさりと乗ってたんで、中々大変。
一つの作業が流れに乗ると、僕はそそくさと次の作業の段取りに入る。
とにかく建てたのと逆の順番でバラしていく。
人海戦術の指揮はピザ窯作りや廃材建築、様々なワークショップで慣れてるからね。
とにかく、こういう素人作業はまず、リーダーが軽々とやって見せて、流れを作らないと進まない。
人が多すぎて動線がぶつかるようなら、班分けをして違う作業の段取りを進める。

土の作業の流れがいい感じになってきたんで、僕はいよいよチェーンソーを持って上がり、垂木なんかを切りはじめる。
最初のドウブチのような細い木なんかは最初バールでバラしてたんやけど、チマチマとめんどくさいんで、チェーンソーで上から連続でドギャギャギャ-ッと一気に攻める。
空条丈太郎のオラオラのラッシュのように♪
チェーンソーはとにかく、ビンビンに砥いでないといけない。

夜はマツケンの親父さんの獲った猪料理。
骨の周りの肉の佃煮が最高に美味い。

マツケンや親父さんを始め、一緒に作業したみんな「もうこんなに進んで速いですねー!」と感動してたけど、こんだけの人数が無駄なく動けばこんなもの。

みんな始めての作業で、純粋な日本の伝統工法を目の当たりにして、感動!
これもしょっちゅう仕事としてやってたら飽きると思うけど、新鮮な感動が楽しい秘訣。
今回のキーワード。
廃材天国流の解体作業はデストロイじゃなく、クリエイト!のワクワクした作業。
どうやって、解体するか?
もちろん、重機なしのオール手作業だけに「まず、これを外して、壁を落として、、、。」と一つやれば次の作業が見える、廃材天国流の即興。
もちろん、築90年という超リスペクトしたい美しい建物というのが大きいね。

それと、マツケンの土地の中に全部廃材が納まるのもいい。
こういう環境なら、高い金払って買いたい業者に頼む必要ないからね。

一緒に仕事して、酒を飲み交わす仲間もほとんど、Iターンで四国に来てる若者の同士。
リュウくんも四季にいく約束してた。
ナオヤくんも悩むという事を卒業した自由な仲間に触れ、良かったみたい。

続きはまた来週。
もう2、3日もあったら終わるんちゃう?









  

Posted by 陣 at 18:14Comments(0)解体

2009年05月08日

ワクワクの解体現場

朝、PCに座ってると同級生の土建屋の社長が。
「金物屋解体するんやけど、何か取りにくる?」
おおーーっ。
久々の解体現場。
しかも金物屋って!!!
ラッキー!
2分で準備して軽トラでゴー。

もちろん、電動工具なんかのおいしいブツはない上に、潰れて10年は経っとんちゃう。
店部分も住居の方もかなりわやくちゃ、カビだらけ。
ヤカンや鍋もアルマイトの古ーいデザインの。
保温ポットはガラスの魔法瓶に花柄とか。
もちろん僕の目的は建築金物。
釘、蝶番、金槌、ドライバー、ペンチ、ハサミ、戸車、銅板、アルミの洗面器、一輪車、練炭、アイスピック、毛抜き、スコップ、秤、、、。
コンテナに手当たり次第にブチ込む。
こんなに使うかな?とかいちいち考える余裕はない。
金槌もマイナスドライバーも何十本も、、、。
何しろ、僕なんかが現場に入れるタイミングは今から足場組んで養生して、という重機が来る直前だけ。
たいてい一日か二日。
今回は半日という猶予。

きれいサッパリ片付けてから解体屋に頼む施主はいない。
ぐちゃぐちゃの現場は商品も家財道具も散らかり放題。
地面は見えない、、、。
まず最初に解体屋の幹部が入って、今回は同級生の土建屋も入ってるんで、よっぽどいい物は無くなってる。
でも、僕の欲しいような細かいもの(蝶番など)は誰も取らないんで、取り放題。
後、大勢で現場に居ると「おっ、それええやん、十分使えるやないか。」とか一応話題には上がっても、積極的にそれらをじゃんじゃんトラックに積み込む人も少ない。
遠慮なのか、みんなにはそれ程魅力的でないのか、、、。
そういう「ハハハ、、、。」みたいな空気の中、僕の興奮状態は最高潮。

火事場泥棒じゃないけど、解体現場は泥棒と一緒。
ほとんど、冷静な思考はできない大慌て状態で、必死で家捜し。
とにかく、解体現場のワクワク感を通り超えた興奮状態は凄いよ、しょっちゅうあると身体に悪いかも。

とにかく、山ほどモノはあっても僕以外の人が欲しがらないのは当然。
そんなに要らんもん。
廃材天国にストックされてる釘だけでも一生かかっても使えない程ある。
全国の金物屋、ホームセンター、そして各家庭の道具置き場、実際に使ってはないけど、あちこちに在庫されてる量だけで、今後釘って生産せんでもええんちゃう?と思ってしまう。
その上、コースビス&インパクト、連結ロール釘&エア釘打ち機みたいな新製品が次々と出るんで、普通の釘の出番は今後そんなにあるんか?
今回も僕が取ってきたのなんかほんの一部。

毎日、全国の解体現場、産廃処分場ではまだまだ使えるモノたちがじゃんじゃん捨てられてる。
その横では新しい製品をどんどん作り続けてる。
もったいないない、を通り越してつくづく資本主義経済の無駄と限界を実感した次第、、、。
いや、だからこそ、廃材天国のようなライフスタイルが必要なのだ!







写真二枚目は地下の倉庫、その奥に井戸があって、ポンプが。
ほんまに探検隊の気分。
もちろんポンプは外してきたよ。
さらは7、8万するからねー。

  
タグ :解体

Posted by 陣 at 07:45Comments(0)解体